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2011年12月14日

『南蛮美術の光と影〜泰西王候騎馬図屏風の謎』

サントリー美術館開館50周年記念

「美を結ぶ。美をひらく。」は『南蛮美術の光と影〜泰西王候騎馬図屏風の謎』でした。

.3/19〜5/22 《夢に挑むコレクションの奇跡》
.6/8〜7/24 《不滅のシンボル鳳凰と獅子》
.8/10〜10/10《あこがれのヴェネチアン・グラス》
.10/26〜12/4《南蛮美術の光と影〜泰西王候騎馬図屏風の謎》

と、4回に分けて開催されたサントリー美術館の所蔵品展の最後です。

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☆第1章〜はるかなる西洋との出会い

☆第2章〜聖画の到来

☆第3章〜キリシタンと輸出漆器

☆第4章〜泰西王候騎馬図の誕生と初期洋風画

☆第5章〜キリシタン弾圧

☆第6章〜キリシタン時代の終焉と洋風画の変容

☆第7章〜南蛮趣味の絵画と工芸

この展覧会を見て、私は自分の考えていた「南蛮美術」というものが、真逆に考えていたということが解りました。
「南蛮美術」というのは、ポルトガルやスペイン等から入ってきた美術品のことを指すのだと思っていたのですが、実際は日本人がイエズス会の指導のもと洋風表現を学んだ画家が描いた絵や、屏風は南蛮船・南蛮人や南蛮渡来の物への好奇心により、やはり日本人により描かれたものでした。そして日本の誇る緻密な装飾を施した輸出用の漆器類等を指すのでした。

☆4階の第一会場には南蛮屏風の数々…左隻には南蛮船が停泊する港町・南蛮寺、右隻には日本の港町・南蛮人と交流を持つ日本人の姿が描かれています。それが数点…背景が金地で松の木の緑、服装の赤が印象的で、南蛮寺というのも初めて目にするものでした。

☆次に聖画
信徒向けの礼拝画や、イエズス会の紋入り(IHS)銅鐘、聖母図、首からかけたのでしょうかペンダント様のメダルや刺繍をした物等の展示でした。
びっくりしたのは、「悲しみの聖母図」〜福井の代々医師をつとめていた旧家の塗り壁の中に、竹筒の中に納められた状態で塗り込められていたという伝承をもつマリア像。いかに護ろうかという意志の強さが察せられました。

☆次のコーナーは目を見張るほどの繊細な漆器(螺鈿)の数々
「南蛮漆器」と呼ばれる蒔絵と螺鈿で飾られた生活用具の展示です。
聖画に観音開きの扉がついた厨子、そこに漆黒を背景に金蒔絵と螺鈿で装飾されています。
又、IHS(イエズス会)紋章つき所見台、洋櫃、箪笥…
全てがびっくりする位細かくて美しいのです。
南蛮船で日本に来た南蛮人やイエズス会宣教師達が日本に滞在中に目にし、本国へ持ち帰った品々のようです。
世界地図(測量なんてどうやって?)や日本地図の展示もありました。昔の名前で地名が書かれており、これも興味深く見られました。どうやって描けたのか?そればかり…考えてしまいました。

☆階段を降りて3階に着くと、ホールに「泰西王候騎馬図屏風」
サントリー美術館所蔵の四曲一双の屏風(右)と神戸市立美術館所蔵(左)の四曲一双の屏風が目の前にに広がりました。
元は両方とも会津藩若松城(鶴ヶ城)に伝わり、現在は各々の美術館に分蔵されています。
モティーフは西洋から輸入された銅版画などを手本にしているといわれているとか…しかし、金地に日本の岩絵具で紙に描かれており、伝統的な屏風の技法と殆ど変わりないそうです。

サントリー美術館蔵の方は、ペルシャ王・アビシニア王(エチオピア王)・フランス王アンリ四世・イギリス王の騎馬像。
神戸市立美術館蔵の方は神聖ローマ皇帝ルドルフ二世・トルコ王・モスクワ大公・タタール汗。こちらは今にも戦いが始まる躍動的な騎馬像です。
正と動の対比が素晴らしく、皆さん右⇔左と行ったり来たりと対比を楽しんで見てるようでした。製作は南蛮堂との印が刻印されていました。
展示に当たり、蛍光画像により絵具の使い分け、目視では観察出来ない情報を取り、それも開示されていました。双方を比べると背景の金地の厚みが違うとか、描き方の違い等様々なことが判明したようです。

次室に入ると、洋風画の数々…

☆次の展示は
キリシタン弾圧の長崎殉教図…悲惨な光景が広がっていました。
そして、板踏絵〜昔、教科書で勉強した「踏絵」です。木枠の中にしっかりとした銅で作られていて、想像していた物とは全く違いました。心と裏腹の行為をしなければならない辛さ、悲しみ…隠れキリシタンという言葉を思い出しました。

☆禁教により洋風画の描き方に変化が…

☆南蛮への憧れにより、屏風、工芸品や鞍等にも南蛮人が描かれたり…

今年の3月中旬から始まった4回シリーズの最終展覧会…面白そう!と、割りと軽い気持ちで見に行ったのですが、ズシリと胸に響くものがあり、そして「泰西王候騎馬図屏風」をもう一度見たくて再度訪れました。

何回廻っても新発見があり、サントリー美術館の素晴らしい所蔵品に感謝でした!!


k.k.


投稿者 Granma : 2011年12月14日 22:55

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