2012年01月16日
『殿様も犬も旅した東海道五拾三次』保永堂版、隷書版
歌川広重の東海道五拾三次は、江戸を出発し五十三の宿場を経て京都へ至るまでの道のりをたどった五十五枚の大判錦絵シリーズです。
「保永堂版」というのは、版元(出版社)の保永堂より出版された作品を指します。
「隷書版」とは、画中の題が隷書で書かれているので隷書東海道と呼ぶそうです。
どちらも描かれている宿場は一緒です。
(私は隷書版というのは聞くのも初めて、勿論見るのも初めてでした。)
丸子= 上/保永堂版 鞠子 下/隷書版 :パンフレット裏面より
今回は「保永堂版〜東海道五拾三次之内」(那珂川町馬頭広重美術館蔵)と「隷書版〜東海道」(サントリー美術館蔵)が同時展示されるという企画で、見比べながら鑑賞出来る展覧会でした。
又、保永堂版には「変わり図」というのもあり、構図がほぼ一緒、でも人物の数・動き、景色の一部が変わっているというものです。現代なら著作権がどうの…となるでしょうが、浮世絵の場合再版にはそのような規制は全くないとイヤホンガイドで聞きびっくりしました。彫り師と摺り師(工房?)の一存で変えてしまうらしいですよ。驚きですよねぇ〜!!
保永堂版と隷書版では、同じ地名でも
例えば、出発点の日本橋では
・「保永堂版」はお馴染みの日本橋の橋を参勤交代の大名行列が渡り国元に帰る様子。
・「隷書版」は橋に沿い蔵が建ち並び、橋を人々が行き交う様子。背景には富士山が。と、全く違う構図になっています
「保永堂版」を見慣れている者には、不思議な感じです。保永堂版と隷書版の描かれた年代には15〜19年の間があるので、広重もその間にも旅をして違う思いを持ったのでしょうか…私が感じたのは、後に描かれた隷書版の方が若い時代に描いたように思えて仕方ありませんでした。保永堂版の方が落ち着きがあるというか…
「保永堂版」は漢画的、「隷書版」は広重的とも言われているそうです。
どちらが好き?と聞かれれば、私は保永堂版と即答すると思います。見慣れているせいもあるかも知れません。
手持ちの山種美術館の所蔵の図録、平木浮世絵美術館の所蔵の図録と、今回の那珂川町馬頭広重美術館所蔵の物とは色・濃淡、雲の配色とか摺りが微妙に違います。初摺か後摺の違いか、興味が更に増しました。
サントリー美術館のミュージアム・ショップで図録の購入は可能です。興味を持たれた方は是非とも…
k.k.
2012年01月15日
東京国立博物館「博物館に初もうで」
さて、私
昨年同様素敵な物を見て目の保養をし、暫し実生活とかけ離れた世界に浸ろうと、もう美術館廻りを始めております。
今年は辰年!
東京国立博物館で開催中の「博物館に初もうで」では干支にちなみ、辰=龍をモチーフにした作品が各展示場毎に何点ずつか展示されております。
(昨年よりこの干支にちなんだ展覧会を見始めたので、あと10年はこの企画も楽しめそうです…足腰丈夫にしておかなくちゃ!!)
私は、龍・鳳凰・獅子のモチーフが大好き!
龍は眼光鋭いものから、タツノオトシゴ風のものまで、鳳凰も架空の生き物ゆえ千差万別ですが、どれを見ても思いの外目が怖いんですよね。
獅子は狛犬からライオン風まで描き手により、これも色々…
教会の雨樋の四隅にある得体の知れない生き物も好きです。見たら絶対写真に収めます。特に好きなのが、パリのノートルダム寺院の霊獣?風雨に晒されても堂々と異彩を放っています。3回ほど見ましたが、色々な角度からシャッターを切ってしまいました。
龍のルーツは紀元前13世紀頃の古代中国の器に表された姿から始まったようです。
・仏教を守る龍 〜大雨の中、池のほとりで瞑想していた釈迦を自分の体で覆い守ったのがナーガ(龍王)。仏画にも龍や龍王がしばしば描かれる
・建物を守る龍(瓦~皇帝のみ使える5本指) 〜天井画や瓦の文様
・海に棲む龍〜龍は海・湖・池・沼・川などに棲むと考えられていた。河川の氾濫は龍の仕業といわれる一方、龍は荒れ狂う海をしずめるとも
・翼のある龍=応龍は龍の王様で天を舞い雨を降らせる力を持っている
・雲をおこす龍=雲竜
雨を降らせる力をもつという
・登龍門〜大河の流れに逆らって上流を目指す鯉で、最も優秀な鯉だけが龍となり、滝を登る。これが登龍門の伝説
展覧会では、もっと沢山の分類のもと、細かい解説とともに作品が展示されています。
龍は鳳凰とともに図柄に使われることが多いようです。
どちらも架空で、かつ縁起が良いからでしょう。
東博の所蔵品の展示は基本的にフラッシュをたかなければ、写真を撮るのが許可されています。作品保護のため、照明が暗いのですが…いくつか載せたいと思います。
建物を守る龍(瓦〜中国皇帝のみ使える5本指):中国 明時代(15世紀) ![]()
k.k.
2012年01月12日
60’sちょっとしたアクションで気分を”ほっ ”
街角の喫茶店に飾ってあるような写真もいいものですね。
60’sは意外とすることが多いもの。
悠々自適の人も多いけど、忙しくいろいろと悩み・ストレスもあるもの。
趣味に一日の大半を費やせないのが普通です。
生活のなかに時々”ほっ ”の一瞬を必ず造りましょう。
もちろんベンチャーズの音楽を聴くときもそうですが。
ざわざわする中で元気になるベンチャーズの音楽は必須です。
ところで最近故ボブ・ボーグルさんの追悼盤CDを手に入れました。![]()
気に入って何度も聴いてます。
JAZZMASTERによるボブさんのウォークドントラン、パーフィディア、木の葉の子守歌、ブルームーンなど爽やかで、ボブさんの人柄が表れています。病をおしてライブステージに出ていたあのガンバリも、ドンさんと始めたベンチャーズとベンチャーズの音楽をこの上なく愛していたからこそできたのでしょうか?
最近は、スタバ・タリーズなどなど、喫茶店に入ると最近は飾ってある写真を見る癖がついてます。
60’sせっかくの旅行などでは、しっかりと記憶に残したいもの、切り取りたいものがあります。カメラに収めないでも脳裏に焼き付ける、自分で鉛筆でスケッチ、水彩カラー鉛筆やクレヨン、水彩画でといろいろなものが自分の中にはあることでしょう。なんでもいいのです。
大切なのは自分で何かを行うことではないでしょうか?
よくある定年後の「ご苦労さん」旅行で行ったイタリア。クリスマスの頃、イタリア北部には珍しい大雪が降りました。ミラノ、フィレンツエからヴェネチアの街へと新しい年を迎えようとする頃、どの国でも人々は期待と、こころなしかさびしげな時期の路地裏でした。モノトーンが何とも似合う街並みです。
ちなみに「ちょっと喫茶店に飾るような」映像を素人なりに意識したモノです。
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H/Yamada at Venice by Leika D-Lux4
投稿者 Sunssons : 23:58 | コメント (0)
2012年01月07日
「サンズサンズブログ」はメンバーとサンズサンズを応援するOBや関係者のページです。今年も元気にいきましょう。
60’ s(年齢の) My Way My Life Time
最近は新聞にも取り上げられように、管楽器を押し入れや倉庫から持ち出しバンドに参加する60’ s。あらためてギターを買ってバンド活動に参加する60’ s。私は相変わらずエレキギター教室で習いながら、忘年会、発表会と成果の発表と、時々、親しい友人とお酒や食事を楽しみながら会う機会を重ねています。おそらくこのような演奏の楽しみと仲間で集まる機会が一致している60’ sの方々が多いのではないでしょうか。腕を磨く目標と、一緒に楽しもながらお互いのちょっとちょっとの進歩を喜び合う。いいですね。それが60’ s=シックスティーズの人たちの楽しみ方かな?
「黄金の60’ s」は音楽の本当に良かった時代でこのブログの中心にあります。60’ sの人々は、ビートルズや、ベンチャーズはじめこの「黄金の60’ s」を聴いて育った世代です。
そしてカメラ女子といわれる一眼レフを抱えた若い女性の増えている中で、60’ sの多くの人の趣味の一つに、アナログ時代、フィルムカメラに凝った人たちが、最近の性能の良いしかも軽いデジカメを手に、気に入った写真を撮る人が増えているようです。
私も素人ですからプロのような機材もなく、時々の旅行やイベントで「いいな」と思った「切り取りたい一瞬」を撮ったりしています。![]()
撮影:M・Yamada at home
楽しみ方は、撮った後が大事です。気に入ったものを、丁寧にちょっと良いフォト用紙を買って、六切位の大きめサイズでプリントアウト。気に入ったフレームを買ってきて家に飾って、一人でカメラマン、最近はフォトグラファーという表現が良いようですが・・・。ちょっとプロになったようないい気分に浸ってます。増えていくと更にその気になってきたりします。
写真は自分の記憶の記録から、画像にすることで美しいモノ、楽しいものそして一番大切なのは「何とも言えない~いい形、美しい景色、不思議なもの、昔の何かを思い出すものなどなど」なんでもでいいので「スケッチ」する気分で撮影すると後で「あれを撮影しておけばよかった」と悔いることにはなりません。
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撮影:H/Yamada at Galeries Lafayette
ゴルフはファンが多いので健康を考えてこれからも60’ sには良いでしょうね。近所や出かけた場所をジョギングしたり、ウォーキングしたり、それこそ「ちい散歩」や「ぶらり途中下車の旅」のようなものから、K・Kさんのような美術館めぐりというテーマを絞ったちょいと知的なものも60’ sにはお勧めです。最近多くなったようですが、自分なりのテーマを積極的に見つけて行動する癖をつけるといいですよ。この趣味のポイントはあまりサイフを気にしないでできる事。日常化することで健康にいいということと、疲れにくく、滑りにくい自分に合った良い靴とショルダーバッグ(カメラ好きはカメラ)を持って街に出ましょう。
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撮影:H/Yamada at Piazza San Marco
※撮った写真は個人で使用する以外は肖像権や著作権があります。公開する場合は気を付けてください。
特にウェブ上で公開する場合商業写真でなくとも「特定の人や、顔のわかる被写体:人がいる風景」を撮るときは、日本でも海外でも、その場も含めて嫌がられることもありますので失礼にならないよう注意しましょう。公開する場合は肖像権や著作権やいろいろな法律があるので確認してからにしましょう。
・・・ということでウェブに乗せるときには風景ものが多くなりますね。
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撮影:H/Yamada at Galeries Lafayette
H/Y
投稿者 Sunssons : 12:27 | コメント (0)
2012年01月01日
サンズサンズより年始のご挨拶
明けましておめでとうございます。
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撮影:H/Yamada at Venice by Leika D-Lux4
サンズサンズのファン関係各位、ファンの方々にとって2012年が良い年となるようお祈り申し上げます。
昨年は大変な年となりました。3・11は忘れてはならない出来事です。
復興への支援や、精神的、物資面での応援は自分の立ち位置や、自分のいる状況の中で、それぞれができる領域で、なすべきことを一生懸命にすることが大切ではないかと思います。
そんな中で迎えた2011年末、2012年始にかけての雑感を簡単に書いてみました。
いろいろとあった年です。季節感が少し薄れた気もしました。
お役に立てるわけでもないのに、気持ちだけはと被災地のことや被災者の方々を慮って年が過ぎました。
毎年いろいろな評価がある「NHK紅白歌合戦」も若いパワーが、年の瀬の日本の元気づくりに貢献するならあのような展開もありかなと思います。
ところで紅葉の時期が早いのか遅いのか?少なくとも夏の暑さに地球温暖化の影響が出ているようですし。やはり日本の風景です。近くの公園で撮影しました。(以下は全てiPhoneで撮影後圧縮)
そして節電日本とエコロジーなど環境規制に手を差し伸べてLEDが救世主のように現われました。イルミネーションの輝きが人々の心に喜びの気持ちをもたらし、心を癒してくれます。発見・開発にはそのためにどれほどの苦労があったか。見た目は小さな一つの科学の進化ですが、科学のあるべき姿の一つです。本来こうあるべきでしょう。
灯りといえば、今年の開業を前に押上げの東京スカイツリー634mのほのかなあかりがほんの数日灯りました。浅草寺の横から浅草松屋に向かう商店街がよく見えます。
日本的な建築工法と浅草や
下町情緒のあふれる場所の世界一。ほのかで良いので2012年の灯りを灯してほしいと思います。
最後に「ベンチャーズ」サウンドも元気になるには最適な音楽ですね。
かれらは50周年です。私たち60’sはもっと活躍しなくては。
コメントにあるような「休止」は、永遠に休止なのか「絆」がいつか復活するのか?
最近私の友人のお兄さんが定年を迎え、親父バンドをやるので念願のモズライト
を買う事になったということで買い方の相談?がありアドバイスをさせて頂きました。
皆様の「元気の素」サンズサンズはブログ活動は今年も続けたいと思います。
今年も志村高OBや関係者の温かいコメントを大いに期待したいものです。
H/Y
投稿者 Sunssons : 19:07 | コメント (0)
2011年12月28日
良いお年を (__)
☆来年は平穏な一年でありますよぅに・・・
さて、Sun's Sons としてのバンド活動も、諸事情により活動休止の状態が3年余り続いており、とても残念です <(_ _;)>
HPを見て頂いている方に、何も動きがないのも…という思いで、この一年は自分の美術館廻りで印象的だった展覧会の感想を書き連ねて参りました。
ブログを読んで下さった方が「へぇ〜、面白そう!行って見ようかな…」とか「これじゃ、よく解らない?!」とか、どんなことでも感じてくだされば嬉しかったのですが…どうでしょう?
「下手な文章…」とか「解ってないなぁ〜」とか思われた方も多々いらっしゃるかとも思いますし、好みが全く合わないという方もいらっしゃったでしょう。
絵画鑑賞初心者として感じたこと、思ったことをそのまま書いてきたつもりなので、その辺は適当に流してください。お願いいたします。
東京は美術館が沢山あるので、インターネットで美術館のHPを見て自分の見たい展覧会を探して行っております。又、美術館にあるチラシやテレビの番組で情報を得たり(気にかけ始めると、沢山番組があるんですね)もしています。
最近は、この美術館はどんな傾向の展覧会を開催するとか、私の見たい江戸美術(ここ数年で好みだと判りました)がどこの美術館で何月頃に開催されるかとか、少しずつ解って来ました。
今年も合計50回以上、色々な美術館に通いました。
震災の影響で、開催されなかった展覧会もありますが、来年には開催が実現するようなので来年も楽しみが続きそうです。
以前は演劇に嵌まり、先行予約で数ヵ月前よりチケットを購入していましたが、何かあり行けないかも?ということを考慮し、去年辺りから絞り込んでチケットを取るようにしました。結果、今年はピーク時の4分の1にまで減っていました。
美術館は行きたい時にフラりと行けます。入館料も演劇のチケットの10分の1 !!
何と安上がりな良い趣味を見付けたな!と得心しております(^o^)
来年は、どのようにHPを活用しようか未定ですが、引き続き宜しくお願い申上げます。
皆様、年末年始ご多忙でしょうが呉々もご自愛ください。
そして〜良いお年をお迎えくださいませ m(__)m
k.k.
2011年12月14日
『南蛮美術の光と影〜泰西王候騎馬図屏風の謎』
「美を結ぶ。美をひらく。」は『南蛮美術の光と影〜泰西王候騎馬図屏風の謎』でした。
.3/19〜5/22 《夢に挑むコレクションの奇跡》
.6/8〜7/24 《不滅のシンボル鳳凰と獅子》
.8/10〜10/10《あこがれのヴェネチアン・グラス》
.10/26〜12/4《南蛮美術の光と影〜泰西王候騎馬図屏風の謎》
と、4回に分けて開催されたサントリー美術館の所蔵品展の最後です。
****************
☆第1章〜はるかなる西洋との出会い
☆第2章〜聖画の到来
☆第3章〜キリシタンと輸出漆器
☆第4章〜泰西王候騎馬図の誕生と初期洋風画
☆第5章〜キリシタン弾圧
☆第6章〜キリシタン時代の終焉と洋風画の変容
☆第7章〜南蛮趣味の絵画と工芸
この展覧会を見て、私は自分の考えていた「南蛮美術」というものが、真逆に考えていたということが解りました。
「南蛮美術」というのは、ポルトガルやスペイン等から入ってきた美術品のことを指すのだと思っていたのですが、実際は日本人がイエズス会の指導のもと洋風表現を学んだ画家が描いた絵や、屏風は南蛮船・南蛮人や南蛮渡来の物への好奇心により、やはり日本人により描かれたものでした。そして日本の誇る緻密な装飾を施した輸出用の漆器類等を指すのでした。
☆4階の第一会場には南蛮屏風の数々…左隻には南蛮船が停泊する港町・南蛮寺、右隻には日本の港町・南蛮人と交流を持つ日本人の姿が描かれています。それが数点…背景が金地で松の木の緑、服装の赤が印象的で、南蛮寺というのも初めて目にするものでした。
☆次に聖画
信徒向けの礼拝画や、イエズス会の紋入り(IHS)銅鐘、聖母図、首からかけたのでしょうかペンダント様のメダルや刺繍をした物等の展示でした。
びっくりしたのは、「悲しみの聖母図」〜福井の代々医師をつとめていた旧家の塗り壁の中に、竹筒の中に納められた状態で塗り込められていたという伝承をもつマリア像。いかに護ろうかという意志の強さが察せられました。
☆次のコーナーは目を見張るほどの繊細な漆器(螺鈿)の数々
「南蛮漆器」と呼ばれる蒔絵と螺鈿で飾られた生活用具の展示です。
聖画に観音開きの扉がついた厨子、そこに漆黒を背景に金蒔絵と螺鈿で装飾されています。
又、IHS(イエズス会)紋章つき所見台、洋櫃、箪笥…
全てがびっくりする位細かくて美しいのです。
南蛮船で日本に来た南蛮人やイエズス会宣教師達が日本に滞在中に目にし、本国へ持ち帰った品々のようです。
世界地図(測量なんてどうやって?)や日本地図の展示もありました。昔の名前で地名が書かれており、これも興味深く見られました。どうやって描けたのか?そればかり…考えてしまいました。
☆階段を降りて3階に着くと、ホールに「泰西王候騎馬図屏風」
サントリー美術館所蔵の四曲一双の屏風(右)と神戸市立美術館所蔵(左)の四曲一双の屏風が目の前にに広がりました。
元は両方とも会津藩若松城(鶴ヶ城)に伝わり、現在は各々の美術館に分蔵されています。
モティーフは西洋から輸入された銅版画などを手本にしているといわれているとか…しかし、金地に日本の岩絵具で紙に描かれており、伝統的な屏風の技法と殆ど変わりないそうです。
サントリー美術館蔵の方は、ペルシャ王・アビシニア王(エチオピア王)・フランス王アンリ四世・イギリス王の騎馬像。
神戸市立美術館蔵の方は神聖ローマ皇帝ルドルフ二世・トルコ王・モスクワ大公・タタール汗。こちらは今にも戦いが始まる躍動的な騎馬像です。
正と動の対比が素晴らしく、皆さん右⇔左と行ったり来たりと対比を楽しんで見てるようでした。製作は南蛮堂との印が刻印されていました。
展示に当たり、蛍光画像により絵具の使い分け、目視では観察出来ない情報を取り、それも開示されていました。双方を比べると背景の金地の厚みが違うとか、描き方の違い等様々なことが判明したようです。
次室に入ると、洋風画の数々…
☆次の展示は
キリシタン弾圧の長崎殉教図…悲惨な光景が広がっていました。
そして、板踏絵〜昔、教科書で勉強した「踏絵」です。木枠の中にしっかりとした銅で作られていて、想像していた物とは全く違いました。心と裏腹の行為をしなければならない辛さ、悲しみ…隠れキリシタンという言葉を思い出しました。
☆禁教により洋風画の描き方に変化が…
☆南蛮への憧れにより、屏風、工芸品や鞍等にも南蛮人が描かれたり…
今年の3月中旬から始まった4回シリーズの最終展覧会…面白そう!と、割りと軽い気持ちで見に行ったのですが、ズシリと胸に響くものがあり、そして「泰西王候騎馬図屏風」をもう一度見たくて再度訪れました。
何回廻っても新発見があり、サントリー美術館の素晴らしい所蔵品に感謝でした!!
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k.k.
2011年11月27日
《トゥールーズ = ロートレック展》
この美術館は昨年4月にOPENした新しい美術館で、1894年に丸の内の地に三菱一号館が出来た当時のオリジナルの設計図に基づき忠実に復元された建物です。建物自体が見所でもあり…又、丸の内にありながら美術館前の中庭がお洒落で、東京のオフィス街にあるとは思えない雰囲気があります(ここは自由に見られます。一見の価値あり!)。
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昨年、開館第1回目の展覧会《マネとモダン・パリ展》を見に行った時には余りに小部屋が多く、床も板張りで靴の音が鳴り響き、良い印象の美術館ではありませんでした。とても混雑していたので、より一層狭い感があったのかも知れません。
今年1月、《カンデンスキーと青騎士団》を見た時にも同じような印象を受けました。
今回はゴム底でフラットな靴を履いて行ったこともあり、自分の足音を気にせず移動が出来て気持ちにゆとりが出来たのと
小部屋には小品が…と、展示の仕方に工夫がなされ、大部屋は中央辺りに何ヵ所か斜めに展示スペースを作り、ポスター等大きな作品が展示されていました。色違いで摺られている作品等立ち位置により比べて見ることが出来て、とても気持ち良く鑑賞出来るようになっていました。
今回の展示品は約180点ですが、250点余りの版画・ポスター・素描を三菱一号館美術館が所有しているということに驚きました!
「フランス国立図書館」、南西フランス・タルン県アルビ市にある「トゥールーズ=ロートレック美術館(三菱の姉妹館)」、そこに次ぐ3番目の量と質を誇るコレクションだそうです。
ロートレックの生涯にわたる友人であるジョワイヤル・コレクションを、紆余曲折の末三菱が纏めて取得する事が可能になったからで、ロートレック好きには本当に嬉しいことです。
保存状態がとても良く色鮮やかな形で見ることが出来ました。
ロートテックの絵は日本人好みで、お洒落でウィットに富み人間観察が好きだったロートテックの目が絵筆を通して伝わって来ます。
ポスター等は簡素化されているにも関わらず意図がはっきりとしているし、人物の素描はその人の瞬間瞬間を切り取ったようで、本当に笑みがこぼれてしまう位面白くてたまりません。
絵については、殆どの方がご存知かと思うので私がどれが良いと言うまでもなく、点数の多さと色合い(何色か試し摺りしたのも展示)の微妙な感じ…絶対に見る価値があることをお伝えしたいのと
もう一つ…ミュージアム・ショップでリトグラフを現代の技法で縮小再現した物が注文販売されています。私がじっくり見ていたせいか係の方が説明をして下さったのですが、製作当時の色を再現し、額縁付12,600円という価格での販売はここだけで買える物だそうです。確かに低価格でこれ程の数の複製?から選んで買える機会はもうないと思ったのですが、我が家の壁を想像して諦めました。
今回も図録(展示品以外の所蔵品も全て掲載されています)と絵はがき購入で大満足!
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何にでもいえることですが、自分が素敵!と思えることがあると、その日一日気分が良いですね\(^o^)/
K.K.
2011年11月19日
《伊東深水展》時代の目撃者
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日本画家の伊東深水というと、殆どの方が日本髪で着物姿の美人画を思い出すことでしょう?!
数年前、私は江戸東京博物館で伊東深水の「新版画」の美人画を何点か見ました。そして、その美しさに衝撃を受けました。今まで全く興味のなかった美人画に惹かれた自分にもびっくりしたものです。
…いや、美人画にというより版画に摺られていた衣裳の赤に(深紅)に目を奪われたのかも知れません。同じ図が色を変えて何枚か摺ってありましたが、私には断然赤の着物が一番のように思えました。その赤はいつまでも目に焼き付き…勿論、今でも鮮明に思い出せます。だから、私には伊東深水=深紅でした。
〜それからです
伊東深水という画家が気になり、他にどんな絵を描くのか美術書を色々なところで探したのですが見付かりませんでした。
今回の展覧会をテレビで知り、平塚という我が家からは遠い美術館ですが思い切って出掛けました。それも10月初旬に足の親指を骨折して病み上がりの状態でです (._.)
図録に因ると
〜自身は浮世絵の系統を引く風俗画家と認識はしていたが、美人画家と決めつけてはいなかったそうです。周囲が美人画を要求するので必然的に多く描くようになったのだそうです。又、鏑木清方に入門したことが美人画を描くようになったとも…
13才に描いた軸物から始まり、労働者の姿・社会の底辺で生きる人達の姿を描く社会派の画家〜風景画家〜美人画家(新版画もあり)〜人物画家〜肖像画家として極めた深水の画業がまとめられていた展示でした。
又、戦中 海外報道班員として派遣されていた時に描いた南方風俗スケッチ〜これがとても面白いのです。伊東深水画と説明書きがなければ絶対深水氏が描いたとは思わないでしょう。人物から普段の生活風景まで多岐にわたっています。
美人画は日本髪の女性から、時代を象徴する女性の姿と様々な女性像が描かれていましたが、着物の色の重ね方…和装特有の配色の妙(日本にしかない色)、柄、小物使い、薄物の描き方等見ていて飽きない魅力がいっぱいでした。
日劇ミュージックホールの舞台裏〜「巷は春雨」4連作も時代背景がわかる素晴らしいものでした。
今回は所在不明だった「海風」「皇紀2602年婦人図」他何点か初展示の作品があるようです。
私にとっては勿論殆どが初物でした。
女性の所作、人物の周りの空気感…女性の品性が感じられる作品ばかり…
思い願っていた絵の数々が間近で見られて、念願が叶い幸せな一日でした(*^-')b
暫く図録を見て楽しめそうです。
K.K.
2011年10月09日
青森県立美術館『光を描く印象派展美術館が解いた謎』
三内丸山遺跡の横に真白な外壁の美術館が建っていました。
コンセプトは「天(そら)から真っ白な箱が舞い降りた!」そんな感じだそうです。
真っ白で綺麗な曲線を描いた先に美術館入口が見えていました。![]()
美術館のシンボルマークが緩い曲線の外壁に付いている木を形取った蛍光ランプ。数は違いますがそれが何ヵ所かに付いています。目に付いた所のは94個も有りました。昼間は白のままで、陽が落ちると明かりが灯り優しいグリーンに変わります。このシンボルマークは美術館の屋上にも一つ大きいのがあるようです。青森のリンゴの木を現しているのかな?なんて勝手に考えたり
『 光を描く印象派展 美術館が解いた謎 』 を、科学が解き明かした事柄の説明を読みながらゆっくりと見学。簡潔な文章で解りやすく説いてあり、その実証された部分は拡大写真が添付されていました。
・戸外で描かれた証拠に〜植物の芽が付いている
・絵の下部中央に小さな塗り残しがある〜パレットボックスという当時の画材カタログに載っている留め金の位置とビタリと合う
・X線を使って視ると〜下には違う絵が描かれていた
・X線で視ると〜鉛筆で下絵が描かれ、それを消さずに絵の具が塗られていた
・X線で視ると〜縦横斜めに線が描かれている
・X線で視ると〜先に描いた絵の部分が書き直されている
・画家が自作で作った額が交換されてしまった
・点描の仕方〜点だけでなく線も混じっていたり、先に同色ばかり描いたり
まだまだ沢山ありますが、この様に検証結果が書いてあり、画家達の試行錯誤が見て取れました。光をいかに取り入れるか、印象派のテーマはそこにある訳で〜
例えば、洗濯物が風になびく、カイユボットの「セーヌ河畔の洗濯物」にはポプラの木が描かれていますが、そこにポプラの芽が付いていたことで実際に戸外で描かれたことが実証されたわけです。この絵を目にしましたがとても大きいのです。洗濯物がたなびく様は風が強かったということで大変な作業だったことでしょう!
企画展を見終わると、アレコホールに出ます。広い吹き抜け空間の三面の壁にシャガールの
・バレエ『 アレコ 』背面画第1幕 月光のアレコとゼンフィラ
・バレエ 『 アレコ 』背面画第2幕 カーニヴァル
・バレエ『 アレコ 』背面画第4幕サンクトペテルスブルグの幻想
縦9m/横15mの背景画が天井から吊り下げられています。中央に椅子があり、そこに座り見回すと私はドコ?と錯覚するほど巨大な不思議空間です。ここでは、たまにコンサートも催されるそうですが、空間だけでも素晴らしいのに、それに音楽♪が加わるなんて…どんな気持ちになるのでしょうか…
暫し見たあとは、青森県出身のアーティストの個別空間が待っています。
・奈良美智(ヨシトモ)さんのあの不思議少女!の『 Hula Hula Gaden 』と『 ニュー・ソウルハウス 』という空間設置作品や幽霊アザラシ(私に似てると友達は言います!?)等が掛けてありました。
・寺山修司さんの部屋は『 青少年のための寺山修司入門 』と称して、天井桟敷のポスターが展示してありました。
・棟方志功さんの展示場は『 わたばゴッホになる 』
・成田亨さんの『 ウルトラマン・ウルトラセブン 』の原画
・馬場のぼるさんの『 ネコばばと仲間たち 』ではカレンダーの展示が
・そして鷹山宇一さん、松吉満史さん、橋本花さんの展示室
・三内丸山遺跡から発掘された品々も
キッズルームもあるので、子供に取っては必ずしも楽しいとはいえない美術館も、積み木で遊んだり絵本を読んだり出来ます。親に取っても有り難い配慮ですね。
等々、とにかく広い美術館で只々驚くばかり…コミュニティ・ギャラリー、図書館、ワークショップ/2ヶ所、映像室、勿論カフェ、ミュージアム・ショップもあります。
一応、全部案内して頂いたのですが迷路のようで、方向感覚ゼロになりました。
そして忘れてならないのは、奈良美智さん作の『 あおもり犬 』
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これまた、外に併設されている迷路のような階段を昇り降りすると巨大な白い犬が餌を待っているように鎮座している箱のような空間に出ます。手前に花壇があるのですが、それが餌入れとか
冬に雪が降り積もると、帽子をかぶるように見え…春の訪れとともに雪が溶け出すとベレー帽のようになるそうです。今は大気の汚れが雨で流れ落ちたのか?髭が生えたような顔をしていました!(パソコンで見て下さい。綺麗なあおもり犬が見られますよ)
こんなに長時間、美術館にいたのは初めてです。このような、立派な美術館の維持管理、そして企画
展の実施等あらゆるところに目配りする館長鷹山ひばりさんの実力が垣間見られた時間でした。
k.k.
